ドラフト・キングスとは?

DRAFTKINGS 企業解説

スポーツベッティングの未来を握る米国発テック企業

  1. はじめに
  2. 1. ドラフト・キングスとは何者か?
    1. 創業の背景
    2. 上場と拡大戦略
  3. 2. ビジネスモデルの核心:ファンタジーからスポーツベッティングへ
    1. 日次ファンタジースポーツ(DFS)
    2. オンラインスポーツベッティング(OSB)
  4. 3. 業績と財務の現状
    1. 売上推移と収益モデル
    2. 利益体質への挑戦
  5. 4. 競合環境と市場の中での位置づけ
    1. 主な競合他社
    2. 差別化ポイント
  6. 5. 法規制と市場拡大の現状
    1. スポーツベッティングの合法化
    2. 州ごとの戦略
  7. 6. テクノロジー企業としてのドラフト・キングス
    1. インフラと開発体制
    2. 買収による技術強化
  8. 7. 投資家視点から見るドラフト・キングス
    1. 株価の推移と評価
    2. バリュエーションと成長性
  9. 8. 課題とリスク
    1. 法規制のリスク
    2. 競争激化と顧客獲得コスト
  10. 9. 今後の展望と戦略
    1. 新市場への進出
    2. Web3・NFTとの融合
  11. 終わりに:テック×エンタメ×金融の交差点にいる企業
  12. はじめに
  13. 1. ドラフト・キングスとは何者か?
    1. 創業の背景
    2. 上場と拡大戦略
  14. 2. ビジネスモデルの核心:ファンタジーからスポーツベッティングへ
    1. 日次ファンタジースポーツ(DFS)
    2. オンラインスポーツベッティング(OSB)
  15. 3. 業績と財務の現状
    1. 売上推移と収益モデル
    2. 利益体質への挑戦
  16. 4. 競合環境と市場の中での位置づけ
    1. 主な競合他社
    2. 差別化ポイント
  17. 5. 法規制と市場拡大の現状
    1. スポーツベッティングの合法化
    2. 州ごとの戦略
  18. 6. テクノロジー企業としてのドラフト・キングス
    1. インフラと開発体制
    2. 買収による技術強化
  19. 7. 投資家視点から見るドラフト・キングス
    1. 株価の推移と評価
    2. バリュエーションと成長性
  20. 8. 課題とリスク
    1. 法規制のリスク
    2. 競争激化と顧客獲得コスト
  21. 9. 今後の展望と戦略
    1. 新市場への進出
    2. Web3・NFTとの融合
  22. 終わりに:テック×エンタメ×金融の交差点にいる企業

はじめに

近年、アメリカにおけるスポーツベッティング(賭け)市場は劇的な変化を遂げています。その中心にいるのが、「ドラフト・キングス(DraftKings)」です。同社は、ファンタジースポーツの運営から始まり、現在では合法的なスポーツベッティング業界のリーディングカンパニーへと成長しました。

本記事では、ドラフト・キングスの成り立ち、ビジネスモデル、業績、競合分析、規制環境、そして将来展望までを10,000字にわたって徹底解説します。


1. ドラフト・キングスとは何者か?

創業の背景

ドラフト・キングスは2012年、マサチューセッツ州ボストンでジェイソン・ロビンズ(Jason Robins)、マシュー・カルシュ(Matthew Kalish)、ポール・リブ(Paul Liberman)ら3人の起業家によって設立されました。彼らは当初、日次ファンタジースポーツ(DFS=Daily Fantasy Sports)のプラットフォームとしてスタート。

当時のファンタジースポーツ市場は、シーズン通して行われる伝統的な方式が主流でしたが、ドラフト・キングスは日次で勝敗が決まるスピーディーなモデルを提供することで一気に注目を集めます。

上場と拡大戦略

2020年、ドラフト・キングスはSPAC(特別買収目的会社)を通じてナスダックに上場。この頃にはすでに合法的なスポーツベッティングが複数の州で認可されており、同社は本格的にオンライン賭博市場に参入します。


2. ビジネスモデルの核心:ファンタジーからスポーツベッティングへ

日次ファンタジースポーツ(DFS)

DFSは、ユーザーが仮想のチームを構成し、現実の選手の成績に応じてスコアを競う形式です。プレイヤーは参加料を支払い、上位入賞者が報酬を受け取る仕組み。これは「ゲーム」であり「ギャンブル」ではないという解釈から、合法的に提供できる州が多かったのです。

オンラインスポーツベッティング(OSB)

ドラフト・キングスの主力は、今やOSBに移っています。OSBとは、ユーザーがモバイルアプリやウェブ経由でスポーツ試合に賭けを行うサービス。対象はNFL、NBA、MLB、NHL、NCAAなど米国4大スポーツを中心に、ゴルフやテニス、さらにはeスポーツまで広がっています。

同社はベッティングオッズの提供から、リアルタイムでのライブベッティング(試合中の賭け)も実現。こうした多様な賭け方が、ユーザーのエンゲージメントを高めています。


3. 業績と財務の現状

売上推移と収益モデル

ドラフト・キングスは、2020年の売上が6億ドルを超えたのを皮切りに、2023年には30億ドル以上へと急成長。売上の主な内訳は以下の通りです:

  • オンラインスポーツベッティング:約60%
  • iGaming(オンラインカジノ):約20%
  • DFSと広告、B2B収入:20%

利益体質への挑戦

売上は急拡大していますが、長らく赤字が続いていました。しかし、2023年後半にはEBITDA黒字化を果たし、2024年にはフリーキャッシュフローの黒字化も見込まれるなど、収益性の改善が進んでいます。


4. 競合環境と市場の中での位置づけ

主な競合他社

ドラフト・キングスのライバルとしては、以下の企業が挙げられます:

  • ファンデュエル(FanDuel) – Flutter Entertainment傘下
  • ベットMGM(BetMGM) – MGMリゾーツとEntainの合弁
  • Caesars Sportsbook
  • ペン・エンターテインメント(旧Barstool Sportsbook)

ファンデュエルとドラフト・キングスは、市場のトップ2として激しいシェア争いを繰り広げています。

差別化ポイント

ドラフト・キングスは、テクノロジーへの投資が競合よりも積極的で、UI/UX、オッズ提供、プロモーション最適化などで先行しています。また、ファンタジースポーツをルーツに持つため、既存ユーザー基盤が厚く、クロスセルに強みがあります。


5. 法規制と市場拡大の現状

スポーツベッティングの合法化

2018年、米連邦最高裁はPASPA(Professional and Amateur Sports Protection Act)を違憲と判断し、各州が独自にスポーツベッティングを合法化できるようになりました。

2024年時点で、全米50州中30州以上が合法化済みで、ドラフト・キングスはその多くでライセンスを取得・運営しています。

州ごとの戦略

ドラフト・キングスは、州ごとに異なる法制度に対応しながら、規制当局と連携して市場展開。特に人口の多いニューヨーク州、ペンシルベニア州、ミシガン州などで高いプレゼンスを誇ります。


6. テクノロジー企業としてのドラフト・キングス

インフラと開発体制

同社は、プラットフォームの大部分を内製化しており、エンジニアを数千人規模で抱えています。リアルタイムのデータ処理、オッズの自動生成、カスタマイズ可能なUIなどが強みです。

買収による技術強化

  • SBTechの買収(2020年)
    オッズの自動生成、リスク管理の高度化を目的に、イスラエルのSBTechを買収。
  • Golden Nugget Online Gamingの買収(2021年)
    オンラインカジノ部門の強化を図るため、GNOGを約15億ドルで買収。

これらはすべて、垂直統合による競争優位性の確保が目的です。


7. 投資家視点から見るドラフト・キングス

株価の推移と評価

上場以降、ドラフト・キングスの株価は乱高下を繰り返しています。2021年のピークでは70ドルを超える場面もありましたが、2022年には30ドル未満まで下落。しかし2023年以降、収益性の改善が評価され、徐々に回復しています。

バリュエーションと成長性

売上成長率は年間30〜40%と高水準。PERよりもEV/EBITDAや売上倍率(PSR)で評価される傾向が強く、将来的なフリーキャッシュフローの成長が株価のカタリストです。


8. 課題とリスク

法規制のリスク

各州ごとの規制変更や、連邦レベルでの再規制の動きは、同社にとって大きなリスク。依存症対策や広告の制限も強化されつつあります。

競争激化と顧客獲得コスト

プロモーション合戦によるCAC(顧客獲得コスト)の増加が収益性を圧迫する懸念も。今後は顧客維持やLTV(生涯価値)向上が鍵となります。


9. 今後の展望と戦略

新市場への進出

  • カナダ:オンタリオ州にて合法展開を開始
  • 中南米:メキシコやブラジルなど、拡大が見込まれる地域への関心も強い

Web3・NFTとの融合

一部ではNFTを活用したゲーム要素の強化や、Web3ベースの新しいベッティングプラットフォームへの進出も模索中。


終わりに:テック×エンタメ×金融の交差点にいる企業

ドラフト・キングスは、スポーツベッティングという一見「ギャンブル」に近い分野を、デジタル技術によって再構築し、合法化の波に乗って拡大している注目企業です。そのビジネスは、テクノロジー、エンタメ、規制、金融の交差点にあり、今後も多様な進化が期待されます。

投資家にとっても、今後数年で大きなリターンが期待できる可能性があり、スポーツベッティング市場の成長とともに、その動向を注視すべき企業のひとつと言えるでしょう。

はじめに

近年、アメリカにおけるスポーツベッティング(賭け)市場は劇的な変化を遂げています。その中心にいるのが、「ドラフト・キングス(DraftKings)」です。同社は、ファンタジースポーツの運営から始まり、現在では合法的なスポーツベッティング業界のリーディングカンパニーへと成長しました。

本記事では、ドラフト・キングスの成り立ち、ビジネスモデル、業績、競合分析、規制環境、そして将来展望までを徹底解説します。


1. ドラフト・キングスとは何者か?

創業の背景

ドラフト・キングスは2012年、マサチューセッツ州ボストンでジェイソン・ロビンズ(Jason Robins)、マシュー・カルシュ(Matthew Kalish)、ポール・リブ(Paul Liberman)ら3人の起業家によって設立されました。彼らは当初、日次ファンタジースポーツ(DFS=Daily Fantasy Sports)のプラットフォームとしてスタート。

当時のファンタジースポーツ市場は、シーズン通して行われる伝統的な方式が主流でしたが、ドラフト・キングスは日次で勝敗が決まるスピーディーなモデルを提供することで一気に注目を集めます。

上場と拡大戦略

2020年、ドラフト・キングスはSPAC(特別買収目的会社)を通じてナスダックに上場。この頃にはすでに合法的なスポーツベッティングが複数の州で認可されており、同社は本格的にオンライン賭博市場に参入します。


2. ビジネスモデルの核心:ファンタジーからスポーツベッティングへ

日次ファンタジースポーツ(DFS)

DFSは、ユーザーが仮想のチームを構成し、現実の選手の成績に応じてスコアを競う形式です。プレイヤーは参加料を支払い、上位入賞者が報酬を受け取る仕組み。これは「ゲーム」であり「ギャンブル」ではないという解釈から、合法的に提供できる州が多かったのです。

オンラインスポーツベッティング(OSB)

ドラフト・キングスの主力は、今やOSBに移っています。OSBとは、ユーザーがモバイルアプリやウェブ経由でスポーツ試合に賭けを行うサービス。対象はNFL、NBA、MLB、NHL、NCAAなど米国4大スポーツを中心に、ゴルフやテニス、さらにはeスポーツまで広がっています。

同社はベッティングオッズの提供から、リアルタイムでのライブベッティング(試合中の賭け)も実現。こうした多様な賭け方が、ユーザーのエンゲージメントを高めています。


3. 業績と財務の現状

売上推移と収益モデル

ドラフト・キングスは、2020年の売上が6億ドルを超えたのを皮切りに、2023年には30億ドル以上へと急成長。売上の主な内訳は以下の通りです:

  • オンラインスポーツベッティング:約60%
  • iGaming(オンラインカジノ):約20%
  • DFSと広告、B2B収入:20%

利益体質への挑戦

売上は急拡大していますが、長らく赤字が続いていました。しかし、2023年後半にはEBITDA黒字化を果たし、2024年にはフリーキャッシュフローの黒字化も見込まれるなど、収益性の改善が進んでいます。


4. 競合環境と市場の中での位置づけ

主な競合他社

ドラフト・キングスのライバルとしては、以下の企業が挙げられます:

  • ファンデュエル(FanDuel) – Flutter Entertainment傘下
  • ベットMGM(BetMGM) – MGMリゾーツとEntainの合弁
  • Caesars Sportsbook
  • ペン・エンターテインメント(旧Barstool Sportsbook)

ファンデュエルとドラフト・キングスは、市場のトップ2として激しいシェア争いを繰り広げています。

差別化ポイント

ドラフト・キングスは、テクノロジーへの投資が競合よりも積極的で、UI/UX、オッズ提供、プロモーション最適化などで先行しています。また、ファンタジースポーツをルーツに持つため、既存ユーザー基盤が厚く、クロスセルに強みがあります。


5. 法規制と市場拡大の現状

スポーツベッティングの合法化

2018年、米連邦最高裁はPASPA(Professional and Amateur Sports Protection Act)を違憲と判断し、各州が独自にスポーツベッティングを合法化できるようになりました。

2024年時点で、全米50州中30州以上が合法化済みで、ドラフト・キングスはその多くでライセンスを取得・運営しています。

州ごとの戦略

ドラフト・キングスは、州ごとに異なる法制度に対応しながら、規制当局と連携して市場展開。特に人口の多いニューヨーク州、ペンシルベニア州、ミシガン州などで高いプレゼンスを誇ります。


6. テクノロジー企業としてのドラフト・キングス

インフラと開発体制

同社は、プラットフォームの大部分を内製化しており、エンジニアを数千人規模で抱えています。リアルタイムのデータ処理、オッズの自動生成、カスタマイズ可能なUIなどが強みです。

買収による技術強化

  • SBTechの買収(2020年)
    オッズの自動生成、リスク管理の高度化を目的に、イスラエルのSBTechを買収。
  • Golden Nugget Online Gamingの買収(2021年)
    オンラインカジノ部門の強化を図るため、GNOGを約15億ドルで買収。

これらはすべて、垂直統合による競争優位性の確保が目的です。


7. 投資家視点から見るドラフト・キングス

株価の推移と評価

上場以降、ドラフト・キングスの株価は乱高下を繰り返しています。2021年のピークでは70ドルを超える場面もありましたが、2022年には30ドル未満まで下落。しかし2023年以降、収益性の改善が評価され、徐々に回復しています。

バリュエーションと成長性

売上成長率は年間30〜40%と高水準。PERよりもEV/EBITDAや売上倍率(PSR)で評価される傾向が強く、将来的なフリーキャッシュフローの成長が株価のカタリストです。


8. 課題とリスク

法規制のリスク

各州ごとの規制変更や、連邦レベルでの再規制の動きは、同社にとって大きなリスク。依存症対策や広告の制限も強化されつつあります。

競争激化と顧客獲得コスト

プロモーション合戦によるCAC(顧客獲得コスト)の増加が収益性を圧迫する懸念も。今後は顧客維持やLTV(生涯価値)向上が鍵となります。


9. 今後の展望と戦略

新市場への進出

  • カナダ:オンタリオ州にて合法展開を開始
  • 中南米:メキシコやブラジルなど、拡大が見込まれる地域への関心も強い

Web3・NFTとの融合

一部ではNFTを活用したゲーム要素の強化や、Web3ベースの新しいベッティングプラットフォームへの進出も模索中。


終わりに:テック×エンタメ×金融の交差点にいる企業

ドラフト・キングスは、スポーツベッティングという一見「ギャンブル」に近い分野を、デジタル技術によって再構築し、合法化の波に乗って拡大している注目企業です。そのビジネスは、テクノロジー、エンタメ、規制、金融の交差点にあり、今後も多様な進化が期待されます。

投資家にとっても、今後数年で大きなリターンが期待できる可能性があり、スポーツベッティング市場の成長とともに、その動向を注視すべき企業のひとつと言えるでしょう。